初めての薬剤散布作業

私が初めて造園の世界に飛び込んだ頃、主に公共の仕事(街路樹や公園の管理)をメインとする造園会社に勤務していました。初めての業界だったのでとにかく周りの人の足を引っ張らないよう、迷惑をかけないよう早く仕事を覚えようとがむしゃらな毎日を過ごしていました。ある日、街路樹の薬剤散布の作業を初めて行うことになりました。通行する人に薬剤がかかったりしたら大問題なのでできるだけ人けのない夜間に作業します。街路樹の桜の木に大体100本位散布した記憶があります。雨合羽を着て樹高が10m以上の桜の木に散布します。噴霧する薬剤がかからないよう気を付けて作業していても風向きが変われば思いっきり霧雨のように薬剤がかかります。昼間と違って月明かりと街灯だけですから視界も最悪です。公共の仕事ですから役所に提出するための散布している状況写真も撮らないといけない。たよりは月明りと街灯だけなので大した写真もとれません。今はスマホで撮影するにしても性能が良くて夜間でもそれなりに撮れるかもしれませんが、当時はまだスマホが普及する前の時代の頃でした。大変な仕事だなと思いながらも桜を守るという使命感と仕事をやり遂げた達成感を朝陽が昇り辺りが明るくなってゆく光景の中感じたものでした。

違和感を感じたのは作業後会社に戻ってからの事。
なんか気持ち悪くなってきたかな、なんか変だな疲れてるのかなと。
気のせいだと自分に言い聞かせ、また日々過ごしていく中でそんな事も忘れた頃、再び薬剤散布の作業がありました。その作業後、やはりなんか変だな、調子悪くなってきたなと。絶対に薬剤が原因と思いました。ただ、他の人たちは何ともないのです。自分だけ何でだろうと。それから植木屋の仕事は好きなのですが薬剤の使用をなるべく避けるようになりました。他の人に比べ弱い体質なのかもしれません。ただ薬剤自体を否定している訳ではありません。スズメバチなど自分の身に危険度の高い状況なら使用するのも致し方ないなと思います。次からは巣を作らせないような対策を施工することで、できるだけ薬剤を使わなくてもよい方法を考えるようになっていきました。

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